ANT KEEPING
基本的な飼育方法
女王アリやコロニーを迎えてから日々の世話まで、アリ飼育の基本的な流れをまとめています。はじめての方は上から順に読み進めてください。
メンテナンス
アリの飼育で日常的に行うお世話は、大きく3つです。
①給餌
エサは大きく「蜜餌(糖分)」と「肉餌(タンパク質)」の2種類。糖分は日々の活動エネルギーに、タンパク質は幼虫の成長に使われます。種類や個体によっても好みの餌が変わるので、初めのうちはいろいろ試してみてください。
蜜餌(糖分)

昆虫ゼリー、砂糖水、メープルシロップを薄めたものなど。小型種は溺れやすいので、与えすぎに注意します。個人的に昆虫ゼリーに糖分を混ぜたものをよく与えています。一週間に2〜3回程度与えます。
肉餌(タンパク質)

ミルワーム、レッドローチ、コオロギなど。それぞれペットショップなどで購入できます。肉餌は幼虫がいる時期に週1〜2回ほど与えるとコロニーの成長が良くなります。ミルワームはホームセンターなどでも手に入りやすく管理も簡単なのでオススメです。生きた餌はアリに攻撃することもあるので、基本的に〆てから与えてください。
②掃除
餌場の食べ残しやゴミ・死んでしまったアリはこまめに取り除き、カビ・ダニ・病気の発生を防ぎます。カビはアリがもつ抗菌物質である程度防げますが、ダニは幼虫や卵に寄生して栄養を吸ってしまうことがあります。

③保湿
多くのアリにとって湿度は命綱です。すべての飼育ケースは保湿のための水分が徐々に蒸発していき、次第に乾燥してしまいます。完全乾燥すると、アリは数日たたないうちに弱るか死んでしまいます。スポンジや石膏の状態や水の有無で乾き具合を判断します。ケースによっては一週間に一度程度の給水が必要です。

飼育の全体像
まずは試験管の中で女王アリに最初の働きアリ(ワーカー)を育ててもらい、数が増えてきたら専用ケースへ引っ越して観察を楽しむ、という流れです。あわてて広い巣に移すと失敗のもとになるので、コロニーの成長に合わせてゆっくり進めましょう。
迎えたら、まず「そっとしておく」
結婚飛行を終えて、落ち着く場所を見つけた女王アリにとって、一番のストレスは振動や光です。一般的なアリ(クロオオアリ・ムネアカオオアリなど)は女王が体内に蓄えた栄養だけで育児を行います。この間はエサやりも不要で、むしろ与えすぎると警戒して卵を食べてしまうこともあります。どうしても与えたい場合は、手に入れてすぐの一度だけにとどめましょう。
ただし、創設期の新女王アリはどんなに丁寧にお世話をしていても、突然死んでしまうこともあります。それは必ずしも管理の失敗とは限りません。
試験管での管理
創設期は、水を入れた試験管にスポンジで栓をして入口を脱脂綿で閉じたものが基本です。作り方はシンプルです。
試験管は、暗くて静かで、温度が安定した場所に置きます。遮光のためにアルミホイルや布で包むと女王が落ち着きます。1日に何度も持ち上げてのぞくのは禁物。数日に1回、多くても1日に1回の観察にとどめましょう。
温度・置き場所
日本産のアリの多くは、過度な温度管理をしなくても飼えます。適温は25℃前後。冬場の5℃を下回る場合や真夏の30℃を大きく超える場合は注意が必要です。直射日光の当たる窓辺、エアコンの風が直接当たる場所、振動の多い場所は避けましょう。
越冬(休眠)について
日本の在来種は、自然界では冬に活動を止めて休眠(越冬)します。飼育下でも、秋以降に気温が下がると産卵や活動が停止もしくはゆるやかになります。これは異常ではなく自然なサイクルです。休眠期は暖めすぎず、涼しい場所で管理し、エサも控えめにします。春になって暖かくなると、再び産卵・活動が活発になります。
アリの引っ越し・移行
働きアリが10匹ほどに増え、試験管が手狭になってきたら、巣となる飼育ケースへ引っ越します。移行の方法は、「強制引っ越し」と「自然引っ越し」の2通りあります。ケースの選び方は飼育用品もあわせてご覧ください。
強制引っ越し
飼い主がアリを直接新しいケースへ移す方法です。すぐに引っ越しが完了し、タイミングを自分でコントロールできるのが利点ですが、アリにとってはストレスがかかりやすい方法でもあります。
自然引っ越し
試験管と新しいケースをチューブなどで直接つなぎ、アリが自分のタイミングで新しい巣へ移動するのを待つ方法です。飼い主が手を加えないぶんストレスが少なく、女王アリを驚かせるリスクも抑えられます。ただし移動には数日〜数週間かかることもあり、新しいケース側を暗くしておくと誘導しやすくなります。
飼育中にわからないことが出てきたら、お気軽にご相談ください。「困ったときは」のページもあわせてご覧ください。
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